今月の質問コーナー

今月から細々と始まった質問コーナー。さて、現代人化した文豪の皆さんは、どう答えるでしょうか?

あきつマイカ「まずは福岡県にお住まいの主婦、I・Mさん28歳からの質問です。文豪の皆さんに質問です。女性モノのショーツのことを『パンツ』と言いますか? 『パンティ』と言いますか?

龍之介「僕は『パンツ』と言うね」

犀星「私も『パンツ』だ。『パンティ』というのには未だに耳慣れないよ」

朔太郎「俺はどちらとも言わないね。そもそも女の子に知り合う機会がない。それ以前にさほど興味がないからね」

犀星「ハイカラ、そんなに卑屈になりなさんな」

春夫「俺はどちらも言うな。『パンツ』とも言うし、『パンティ』とも言う」

龍之介「春夫の場合は、言葉のブレが多いからな」

春夫「それを言うなよ」

菊池「俺は『パンティ』だな。『パンティ』の方が可愛らしい」

龍之介「菊池が言うと生々しいよ。流石は、道行く子をスカウトするという名目で、スカートの奥のパンツばかり見ていただけあるわ」

菊池「あ、アクタ。誤解するな。あれはだな、その……」

犀星(龍之介と寛のやり取りを他所に)「ハイカラを数に入れず、佐藤のを二重に数えれば、三対二。ここは谷崎くんの意見も聞きたいところだ」

谷崎「僕は『パンティ』だな。『パンツ』だと、女性特有の美しさ、艶やかさがなく、ブリーフもトランクスも、ジーンズもスラックスも一緒くたになってしまう。誰がなんと言おうと『パンティ』は『パンティ』だ!」

龍之介「いいかね、谷崎くん。『パンティ』と言うのは、文法的に間違いなんだよ。本当は『panties』なんだ。因みに元々、ズボンの片足を『pant leg』と言った。下に穿くもの、下着のパンツは勿論だが、ジーンズでもスラックスでも、足を入れる部分は二本に分かれていて、片足ずつを入れて穿くだろう。だから、複数形で『pants』と言う。つまり、『パンティ』は誤りだが、『パンツ』は誤りではないのだよ。わかったかね、谷崎くん」

谷崎「だが、『パンツ』という言葉には女の子らしい可愛らしさがない上に、何でもが『パンツ』になってしまう。『パンティ』は女の子が穿いている、華やかなものに限定される。その響きから、伝わってくるだろう。あー、もう、芥川の場合は、『パンツ』の三文字で片付けてしまうからダメなのだ。僕のように、登場してくる女の子はどんなパンティを穿いていて~……」

(延々と続く)

春夫「また始まったよ。アクタと谷崎の口論……」

犀星「谷崎なんかに聞くんじゃなかった~!」

谷崎潤一郎に聞いたことを後悔する、室生犀星なのであった。

あきつマイカ「第二問。大阪府にお住まいの小学二年生、N・Yくん八歳からの質問です。うんこ味のカレーと、カレー味のうんことどちらがすきですか?

犀星「まあ、そんな質問をするなんて、汚らわしい!」

菊池寛「室生、大人気ないぞ。相手は八歳の子どもなんだから」

朔太郎「室生は作品に出しまくってるじゃん。しかも、『美人はそれまで美人』なんて言っちゃっているし。このメンバーの中では俺だけじゃないかな。作品にそのものを出さなかったのって」

春夫「俺も出してないよ。そもそも、耽美派には禁句だ」

龍之介「同じ耽美派でも、谷崎くんは出しまくってるけどね。ところで、質問はどうなった?」

菊池寛「そうだね、でもまずはアクタのから聞こうか」

龍之介「俺がトップバッター!? まあ、俺が答えなければ前には進めないからな。俺ならうんこ味のカレーがいい。カレーライスは食えるが、うんこは食えない……」

谷崎「芥川、やっぱり甘いな、お前は。そんなもの、カレー味のうんこに決まってるだろう」

一同「その声は。谷崎潤一郎!」

谷崎「いくらカレーとは言えども、不味いものは不味い。ならば、物が何であろう、美味いものがいいに決まっている。たとえそれがうんこであろう、小便であろう、精液であろう、血液であろう、美味いものは美味いのだ。それが美人のものであれば格別。寧ろ、頂きたいくらいだ」

龍之介「このド変態。よく考えてみろ。うんこを美味いといって食う奴が何処にあるか」

谷崎「うんこだって元は食べ物じゃないか」

春夫「また始まったよ。アクタと谷崎の口論」

朔太郎「谷崎、おもしれぇ……」

(会話を聞きながら、大笑いしている)

犀星「ハイカラ、それどころじゃないだろ」

朔太郎「お前だって、カレー味の方じゃねえか」

犀星「まあ、美人のはうんこまで美味だからな」

おまけ

龍之介「もっとまともな質問はないものか」

あきつマイカ「だって、それだけしか質問が寄せられていないのだからしょうがないよ」

龍之介「下ネタばかりで弱ってしまった。次はそうでない質問を頂きたいところだ」

(2013年9月13日)

※自伝を書いていましたが、ちょっと疲れたので、久々に現代人の龍之介たちを書いてみました。谷崎は女性の下着に酷く執着していそう、美人のものであればうんこでも食べそう、そんなところから発想が浮かびました。

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